明治安田生命J2リーグ 第7節VSロアッソ熊本
ロアッソ熊本戦
アウェイ熊本に乗り込んでの一戦。
報道によると今回は4バックではなく3バックで挑むとのこと。
3-4-2-1のフォーメーション。
代表から帰ってきた大将が復帰。原は引き続きバックラインでの起用。
両ウイングバックにはゴメスと安田。この二人は元々ウイングバックを経験していた選手なので、大きな不安はありません。
一方熊本。
こちらも3バックです。
新潟と違い、2トップの背後にトライアングル。
まだこのシステムのトレンドは続きますね。
元広島の皆川、じゃない方の田中達也(これから凄い選手になりそう)
更には元鹿島の青木もいます。
ベンチにはシンガポールでプレーしていた佐野や、巻も控えています。
- 前半
試合開始直後から押し込む展開。
前からの意識もチーム全体としてバランスよく体現され、効果的に圧力を掛けれていました。
序盤、ゴメスの躍動が印象的。
積極的にペナルティに侵入し、クロスやフィニッシュを狙う。
河田とは間に選手を挟まない直接的な連携になり、河田がゴメスを押し上げるといったシーンも見られました。
懸念だった3バックもしっかり機能しています。
監督は高さ対策とコメントしていますが、正直それがメインという訳ではないと思います。
むしろビルドアップの質を高める為とも思えるほど、ビルドアップに多様性が見えました。
選手同士の距離感が非常に良く、トライアングルが至る所で形成されていました。
前半5分、相手のクリアミスを磯村がカットしペナルティ手前からミドルシュート。
地を這うシュートは枠を外れましたが良いチャレンジでした。
後ろに3人がいると、磯村の積極性も増しますね。
前半8分、河田がバイタルエリア付近でこぼれ球を拾うとワンステップでミドルシュート。
ボールはポストを叩きます。
日本人の蹴るシュートの質ではないですねw
やはり下半身の強さが際立っています。ちゃんと枠を捉えていました。
前半10分頃を境に大将がソワソワし始めます。
安田の裏のスペースや、前線3人のプレスを気にしている様子。
チームの距離感がドンドン良くなり、ボールが回り始めます。
が足元でのプレーが増えてきました。
そんな中、大とのコンビでパスアンドゴーを仕掛けたのが大将でした。
トラップが長くなり奪われてしまいましたが、もしかしたら彼はこの辺りからチームの流れを掴んでいたのかもしれないですね。
前半12分、この試合を象徴する様なシーン。
引いて受けにきた皆川にジュフンが食いつきます。
そのタイミングでサイドの田中達也がスペースを狙い、皆川からのスルーパス。
ゴメスとの競争になりますが熊本の田中達也、とにかく速い。
ゴメスが詰め切れずクロスを許しますがカンペーがクリア。
ジュフンが釣り出された為に中は2対1の状況。更に背後にはもう一人狙っていました。
その後数分、チームは集中を欠き早いリスタートからシュートを許すなど雲行きが怪しくなります。
前半15分、河田が強烈なプレスからボールを奪うとゴールへドリブル。
ペナルティ内で並走してきた貴章にパスを送りますが、相手にカットされチャンスを活かせませんでした。
良いプレーだっただけにしっかり仕上げたかったですね。
この辺りから熊本はロングボールで牽制してきます。
楽にボールを蹴らせてしまってるんですね。
ですが前線3人のプレスが一向に上手く行く気配がありません。
状況の変化に乗り遅れてる印象を受けました。
実際、この時間帯から大将の前へのプレスが多くなります。
何度も言いますが、彼の試合を読む力はアルビ史上1番です。
この時間帯から原くんも大将にリンクし始めます。
前半20分サイドを攻略した安田のクロスに河田がドンピシャヘッド。
しかしキーパー正面。これは決めたかった。
その後ピンチ。
貴章のプレス、大将のコース規制、ジュフンのチャレンジが全て上手く行かず、決定機を作られるも原くんのフォロー、ジュフンのカットで凌ぎます。
その直後、全く同じ形で失点します。
【公式】ゴール動画:安 柄俊(熊本)24分 ロアッソ熊本vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第7節 2018/4/1
安の動き出しの上手さもありますが、その前のプレスの部分。
今回は大ですね。大将磯村の迷い、ジュフンが釣り出されると言ったミスが連続して起きてしまいました。
更にその2分後。
【公式】ゴール動画:安 柄俊(熊本)26分 ロアッソ熊本vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第7節 2018/4/1
少し前にあった田中達也を走らせたシーン。
今回も全く同じ形で決められてしまいました。
最悪ゴメスが追いつけないのは仕方がない。
ですが3バック全員がボールウォッチャーになり、1人に3人引きつけられてしまったのはお粗末です。
この辺りは3バックが慣れていないからというより集中力対応力応用力の問題の様な気がします。
3枚であろうと4枚であろうとやってきた事は共通しています。
この試合、集中を欠くシーンが多かった気がしますが、どうでしょう。
熊本は2得点共に、1回目のトライで糸口を見つけ、2回目で全てものにしました。
その後チームを落ち着かせようとボールを回しますが、どうもリズムが出ません。
パスミスも多く、完全に止まってのプレーをする選手が増えてしまいました。
磯村が迷っている様に見えました。
個人的には凄く興味深かったです。距離感も抜群に良いはずなのに迷う姿。
この日は磯村、大将のコンビと河田が全く合いませんでした。起点になれません。
前半終了間際にも田中達也のスピードを武器に、連動して熊本がゴールに飛び込んできます。
クロスに安が飛び込みますが、原がしっかり対応。
前半終了0-2。
今シーズン初の複数失点。ハーフタイムでどれだけ修正できるでしょうか。
監督の言う通り、選手間の距離感が改善。
近すぎる、遠すぎるといった問題はクリアできそうですね。
3バックだと磯村は一つ仕事を後ろに預けて前での仕事ができそうですね。
気になるのが前3人ですね。
貴章、河田、大が攻守でどうも効果的に動けていない印象です。
- 後半
後半1分
河田の落としに貴章が反応。後ろから倒されFK。
河田と貴章の縦関係がやっと見れました。
ペナルティ手前、絶好の位置です。
キッカーは大。蹴ったボールは壁に当たりラインを割りました。
当たらなかったら枠行ってましたね。ちょっとずつキックがフィットしてきた印象。
熊本のプレスが緩んだこともありますが、ボールを持つ時間が増えます。
ただ前半とは印象が違いますね。しっかりフリーランニングでスペースを作りながらそこを利用し、展開して行く。
動きが出てきました。
磯村も積極的なドリブルでチャンスを作ります。
動きのある中でボールをしっかりと動かせると、このシステムの良さが抜群に出ますね。
ですがまたもや失点。
【公式】ゴール動画:八久保 颯(熊本)55分 ロアッソ熊本vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第7節 2018/4/1
これも同じ形です。
最初の規制が出来ずに一発で裏へ通されると、今度はクロスに対して3人が飛び込んできました。
この直前のプレーでゴメスは相手ゴール前に飛び込んでいます。
そのプレーの直後。
チームとしてはゴメス側から遠ざける守備をすべきだったんじゃないかと。
もちろん、ゴメスの対応に問題があるかもしれませんし、3バックの対応も後手になってしまいましたが、一番は原因を潰すことです。
3失点共に全て起点を逃し続けた結果です。
後半56分、ゴメスが戸嶋と交代。安田が左、戸嶋が右に入ります。
徐々に人もボールも動く様になってきました。
前の3人を除いて。
今日は悉くこの3人とその後ろのメンバーが合いません。
これはシステムの問題とは思えないです。
後半65分、大将に変わり新太が投入されます。
これに伴い大がボランチ、新太がシャドーポジションに入ります。
この辺りからチームは激変します。
徐々にボールが動く様になってきていましたが、戸嶋と新太が更に動きを付けることで勢いは加速します。
とにかくこの二人、受けては飛び出すの連続ですのでスペースがどんどん生まれます。
大はボランチに入った途端、急に活き活きし始めました。
さりげなく難しいコースを通すサイドチェンジも楽々こなします。
後半70分、河田に変わり三枚目のカード、ターレス投入。
直後のプレー。
大とターレスのパス交換からリズムを作り、ターレスが逆サイドへ展開。
戸嶋が一対一の勝負を仕掛けるとクロス。
ペナ内で胸トラップで前を向くと、脚を引っ掛けられ転倒、PK獲得。
交代した二人が大仕事。戸嶋は深くボールが入ったにも関わらずあの高さのボールを蹴れるんですね。腰が強いのかも。
新太は突貫。言うことなしです。そのまま「危ない奴」感を出していてくださいw
キッカーは安田。
冷静に決めて1−3。
なんて言うか、さすがガンバユースですよね・・・w
【公式】ゴール動画:安田 理大(新潟)73分 ロアッソ熊本vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第7節 2018/4/1
攻勢は続きます。
しっかり走って動きを出すことでパスの選択肢が増えます。
ターレスが華麗なゲームメイキングをキメてますが、まぁ彼はこれからですよ。
大は動きながら揺さぶり続けます。
何故そのプレーが前で出来ないのか。
と言うか元々出来ていたんですけどね、彼。
攻撃的MFで運動量があり、誰とでも繋がれる力を持った選手は本当に稀有な存在です。
だからこそ前で使われている訳ですが、中々ブレイクスルー出来ませんね。
でも彼なら必ず乗り越えてくれるとおもいます。
交代した選手が存分に持ち味を発揮。
相手を押し込み続けます。
後半81分。
原くんを起点に大、貴章、戸嶋、ターレス、新太が絡んだ見事なカウンター。
新太のシュートはブロックされましたが見事な連動でした。
シャドーにターレス、新太が入ったことで少しずつ貴章のリズムも合い始めました。
がここまで。
試合終了1−3。
この試合、確かに負けは痛いんですが失ったものよりも得た事の方が多い様に感じました。
それは監督、原くん、大将のコメントを見れば明らかです。
この二人と小川は監督の目指すフットボールの体現者です。
この二人のコメントの意味の先に、小川が言った「どこが相手でもどんな状況でも点が取れて勝てる」と言う言葉に通じて行くんでしょうな。
この3人の言葉、信じられないですか?
次、勝ちましょう。