オレンジブルーが呼んでいる

アルビレックス新潟を斜め上から応援

明治安田生命J2リーグ 第4節VS横浜FC

横浜FC

ニッパツ三ツ沢球技場に駆けつけたオレンジのサポーターは約3300人。

アウェーをジャックし、非常に良い雰囲気。

無敗同士、序盤の大一番。

f:id:rorosan:20180319122813p:plain前節京都サンガ戦と変更はありません。

サブにはルヴァンカップに出場した選手が控えています。

バランスよく実戦経験を積めているので誰が出ても問題無いベースが出来つつあります。

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続いて横浜FC

昨年のJ2得点王、イバは脅威です。

ヨンアピン山本海人といった実力者も揃っています。

サブにはレアンドロドミンゲスも控えます。

監督もコメントしていましたが、非常にバランスのとれたチームとの事。

難敵です。

個人的に昨シーズンからジョン・チュングンに注目していました。

若くしてフランスのFCナントユース、ナントでプレーをしていた経験を持ちます。

(因みにナント市と新潟市姉妹都市なんだYO!)

昨シーズン、たまたま見ていた横浜FCの試合で目を奪われました。

強く早くしなやか。どことなくヨンチョルを彷彿とさせるプレー。

足元のテクニックに独特のリズムを持っていた印象。

もっと華奢なイメージでしたが、ボディバランスがしっかりしていてフィジカルも完成していました。

  • 前半

試合開始直後から新潟は積極的にプレスに動きます。

高い位置からのプレスに対して横浜FCは繋ぐ意識を見せていました。

イバはやはり脅威です。

彼が引き出したスペースをジョン、野村が狙っています。

イバに対してはカンペー、ジュフンがしっかりと対応しますが非常にタフで厄介です。

横浜FCはもっとシンプルにイバに対して蹴り込んで来るのかと思っていましたが、しっかりと後方からのビルドアップにチャレンジしていた様です。

それに対して新潟は前からの圧力の意識を高めます。

序盤は貴章と河田が牽制的なプレスを仕掛けていました。

背後も連動を高め、徐々に選択肢を限定するプレスに移行していきます。

それでも横浜FCは簡単にボールを捨てず繋ぐ意識を見せていました。

ただ繋ぐにしても細かいミスが散見、チームとして明確にプレスのポイントを共有していった様に感じます。

立ち上がり10分、右サイドで貴章がファールを受けフリーキック

大のゴールへ向かうボールを河田が上手くバックヘッド。

決まったかと思いましたがファールを取られます。

おそらくやり合っていた貴章がユニフォームを掴んだ反則を取られたのでしょう。

この国のリーグに多いですが、セットプレー時のファールの多さは萎えますね。

他の試合でもキッカーが蹴った瞬間、既に笛が吹かれる。

これは萎えますw

試合はその後、新潟がリズムをつかんでいきます。

前半14分、ジュフンのカットに貴章のポスト、磯村が受け小川とのワンツーから大が絡み、上がった磯村へ。ペナ手前でタメを作りオーバーラップした安田へ。クロスを上げましたが中でファール。

この一連の動き、ゴールへ向かうためのプレーを全てのプレーヤーが実行していました。特に磯村の前への意識は、非常に高く感じました。

相手を崩すポイントを見出したんでしょう。加えてそれがチームに共有されています。よく話し合っていたシーンが目につきました。

このプレーの時間帯からプレスの強度が一気に高まります。

相手からしたら少しあった余裕がいきなりなくなってしまう様な感じ。

パスを繋ぐにはそれだけ動かないといけません。(これはチャレンジしている我々が一番感じれる部分ですよね)

この辺りの時間帯から大将が磯村とバランスを取りつつも積極的にボールを受けに動き始めます。

横浜FCも粘り、イバ、野村、ジョンを起点に反撃。

個に強力な力がありますが、まだ点が線になりきれていない感じ。

耐える時間が続きますが、明確な守備組織の狙いがあるので、簡単には崩れません。

ゴールはしっかり守りきった直後に生まれます。

相手のクリア、イバに対してしっかり対応したジュフンがゴメスへ出すと、小川とワンツーで運び、貴章がサイドへ流れスペースを作ります。

そのスペースに小川がトップスピードで走り込むとゴメスからスルーパス

タックルで止められましたがこぼれ球はゴメスの元へ。

開いていた貴章に預けると中をよく見てクロス。

ファーに流れていきましたが、しっかりペナに入っていた大が折り返し、ヨンアピンの背後から狙っていた河田が飛び込んでボレー!


【公式】ゴール動画:河田 篤秀(新潟)34分 横浜FCvsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第4節 2018/3/17

リプレイで見返すと、反応し始める瞬間がわかると思います。

あの状況で背後からニアに動ける判断力。

ゴールへの嗅覚はやはり尋常ではありません。 

これで4試合連続先制点。

課題の追加点とゲームコントロールに挑む時間が始まりました。

高い位置からのプレスは継続しているものの、ただ闇雲なハイプレスではありません。

しっかりと行くところ行かないところが共有され、相手に持たせる判断も織り交ぜます。

その間にしっかり組織で守ります。

そんな中再び決定機。

河田が右サイドのスペースでカンペーのフィードを引き出します。

フォローした安田がヒールで落とし、再び河田がクロス。

走り込んだ小川にピッタリ合いましたがヒットせず。

ボールはキーパー正面。惜しい!でも素晴らしい!

河田がボールを引き出した瞬間、フォローに安田がいるのを確認すると大はペナへ侵入を始めます。コンビで崩すと大はニア、貴章はファーへ流れ、中央に大きなスペースが生まれました。

小川がそのスペースを逃すはずありません。

走り込んだ小川の元に素晴らしいボールが届きましたが、残念!

更にその直後、貴章のプレスがハマりカウンター、河田とのスイッチに時間がかかってしまい、河田のシュートは枠外へ。

やはりこの二人の連携はまだまだですねw

連携構築は今シーズンの楽しみの一つです。

決定機を2つも逃してしまい、嫌な雰囲気になりそうでしたがこの男が追加点を奪いました。


【公式】ゴール動画:矢野 貴章(新潟)43分 横浜FCvsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第4節 2018/3/17

伏線はいくつかありました。

このシーンの前も激しいプレスでかなり圧力をかけています。

ただそれに対して、横浜FC側の反応は変わりませんでした。

それに対して磯村がスイッチを入れます。

プレスをかけ、前への選択肢を無くしボールを戻す訳ですが、そのボールを河田と貴章は狙っていました。

山本のトラップがほんの少し乱れるや否や、とんでもなく長い脚が伸びてくる訳です。

ボールを掻っ攫い体勢を立て直しゴールへ流し込みました。

何故あの体勢、あの角度から腰がひねれるのか。答えは簡単。

矢野貴章だから」

追加点を奪い今度はゲームコントロールをして行かねばなりません。

前半終盤、イバに対してジュフンが少し距離を取ってしまった為に反転からのシュートを打たれてしまいました。

対応に苦心していましたが、今日の試合でジュフンがイバに対して自由を与えたのはこのシーンだけでした。

良い形で前半終了、後半に向かいます。

f:id:rorosan:20180319141912p:plain平均ポジションですが、これを見ても前への圧力、そして前でのプレーが多かった事がわかります。

プレスが印象的だった磯村がチームの中心にどっしりいるのは意外ですね。

ポイントを絞って効果的にプレスができていたんですね、きっと。

逆に大将は人と人を繋ぐ動きがポジションにも現れています。

 

今シーズン特に感じるのがボールを回すエリアの良さです。

基本的にバックライン付近で苦しみながら回すと言う事はあまりありません。

もちろん、相手のレベル等々ある事ですが、それでもしっかりプレスをしてくる相手と戦ってきている訳です。

しっかり運んでバイタルを伺えるポジションでボールを回す。

僕が今シーズン、チーム状況の目安にしている選手が大将と小川です。

まず大将。彼のプレーエリアでチームの重心がわかります。

彼はチームのバランスをとる能力がちょっと抜きん出ています。

原くんも素晴らしいですが、大将との差は小さくありません。

きっと努力で追いつくんでしょうけどw

個人的にはそれくらいの実力差を感じます。

次に小川。シンプルです。後半もちゃんと動けているかw

小川がしっかり動けていれば、それはチームのバランスが取れている証拠です。

これが出来なかった結果、成岡さんが溶けるといったアルビ的悲劇が生まれた訳です。

(このチームで成岡さん見て見たかったな)

 

  • 後半

横浜FCレアンドロドミンゲス投入。

 

新潟は人が動きダイレクトパスが繋がり更にリズムが出てきます。

そんな中ピンチ。

レアンドロドミンゲスの浮き玉がペナ内にフリーで侵入してきたジョンに渡ります。

このピンチは大谷が飛び出して凌ぎますが危険なシーンでした。

レアンドロドミンゲスは年齢を重ねても独特なリズムのプレーは健在、厄介です。

このプレーでは大谷が成長していることが実感できます。

浮き玉に対してフリーで飛び込んできたジョンの手前、野村とジュフンが潰れていました。リプレイで大谷を見るとわかりますが、全く動いていません。

無駄に動きすぎるプレーを無くすといったチャレンジをしていますが、このプレーは一切の無駄が無く、正しいポジションから正しいタイミングで寄せれました。

素晴らしいプレーだったと思います。

その後しばらく横浜FCが攻勢を仕掛けてきました。

シンプルなフィードに対してもイバは確実にポストプレーをしますので、後方から繋がれるよりも放り込まれた方が実は怖かったです。

実際それで何度かピンチにもなっています。今後の修正ポイントですね。

後半はとにかく貴章が前線でポイントになり続けました。

その為数多くのファールを受けます。

これが非常に助かる。

ファールじゃなきゃ止めれないんですよね・・。

そしてそれを貴章自身がわかっているので状況を考えてファールを受けたり。

この試合、是永さんが何故か河田が競り勝つとファールを取られてしまうと嘆いておられましたが、それは過去の貴章もそうでしたw

水沼さんが仰られていましたが、「強すぎて」ファールになるみたいですねw

 

後半もプレスの状況判断や強度を変えて試合を進めていました。

60分のボール回しは理想的でしたね。

徐々にやりたいことが形になってきています。

しっかりと試合をコントロールしていた後半74分


【公式】ゴール動画:小川 佳純(新潟)74分 横浜FCvsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第4節 2018/3/17

ふつくしい・・・。

小川のゴールはもう見たまんまです、はい。

このゴールが生まれたのは磯村のプレスからです。

スローインからのボール、相手ボランチが前を向く前に一気に寄せました。

磯村としては狙い所だったんでしょう。

河田へパスを送ると得意の両足でのタッチのドルブルで相手3人を引き付け、走り込んできた小川へラストパス。

狙いがしっかり積み重なって形になりましたね。

小川の背番号40の中に一瞬だけ名古屋の10番を見た気がします。

後半82分、原くん投入。

直後ジュフンが痛みます。心配でしたがプレーはできる模様。

ちょっとずつ大人のチームになるにつれ、あの原くんがあたふたするシーンが何度か見れました。ちょっと面白かったですねw

彼が成長できる素晴らしい環境になりつつあると感じます。

その後大きな動きはなく、ターレス、新太を投入し、しっかり試合を終わらせました。

まだまだ納得できるレベルには到達していませんが、ちょっとずつ内容が伴ってきましたね。

特に守備戦術の部分です。

ハイプレスどうこうの話だけではなく、戦術内で、各自が自由に判断し、それを共有出来るようになってきた事が一番の収穫なんじゃないでしょうか。

選手個人の成長も感じれました。

ジュフン、大谷、そしてゴメス。

特にジュフンとゴメスはいいですね。

ジュフンは数年前まで集中を欠いてしまう悪癖がありましたが、今や一番苦しい終盤にチームに指示を出し続けています。DFリーダーの風格が漂ってきました。

ゴメスも失敗を繰り返さない。糧にして更に成長しています。

安田のように切り込んでからの時間の作り方や、ビルドアップ能力は更に高まってきました。この二人は今のチーム内でも1,2位の成長力じゃないでしょうか。

 

課題はあれど内容も伴ってきました。

次は今週水曜日、ホームで愛媛FC戦です。


ハイライト動画 J2第4節 2018.3.17 新潟vs横浜FC