明治安田生命J2リーグ第2節 VS松本山雅FC
ホーム開幕戦
待ちに待ったホーム開幕戦は素晴らしい天候に恵まれ、少し前までの大雪が嘘のようなコンディションでした。
昇格争いのライバルになるチーム、しっかりと叩いておきたいところです。
前節讃岐戦とメンバーを変えてきました。
小川、広瀬が欠場との事。別メニューだったらしいですね。
前線は河田と貴章の2トップ、バックラインには富澤が入りました。
左サイドには高木が先発で出場します。
対する松本山雅FCのメンバーです。
見るからに反さんのチームっぽいなぁと言った印象です。
試合が始まる前でしたが、このシステムを見て「フフw」としてしまったサポーターは多いんじゃないでしょうか。私は思い切りフフwりました。
非常に嫌らしい事をしてきそうだなといった印象。
高崎永井を筆頭に実績のある選手が数多くいます。
GKは古巣対戦になる守田です。
- 前半
試合開始直後から新潟のペース。
前線で起点になれる河田、貴章を中心に多少ルーズにボールを送ってもマイボールにしてくれます。
山雅は守備時ウイングバックが下がり5バック気味の守備を形成。
攻撃では高崎の高さと裏を狙う永井のスピードで牽制します。
序盤はしっかりボールを回し、選手も動きながら展開出来ていましたが、10分を過ぎた頃から山雅の守備がハマり始めます。
特に厄介なのが前田、パウリーニョ、岩間のトライアングルです。
ボランチ磯村、大将に対して中盤3人で対応。サイドはFW、ウイングバック、そしてパウリーニョや前田がそれぞれのサイドに対応します。
次第に山雅ペースへ。
選手と選手の間、とにかく対応に迷いそうな所へボールを供給し続けます。
ボールの奪いどころを完全に見失い、無駄に動かされました。
楔への対応もマズく、起点を作られ展開されるといったシーンが連続しました。
富澤は苦労していましたね。
富澤だけが悪いという訳ではなく、広瀬との違いに周りの選手達が上手く対応できなかったといった所でしょうか。
苦しい状況でも安田の存在感は光りました。
しっかりと時間を作る対応や、高木へのフォロー、危機への予測等ハイレベルで、同じサイドでプレーしていた高木にも良い影響を与えていました。
このコンビは成熟していけば面白そうですね。
一方の右サイド、川口、大のコンビですが今ひとつパッとしません。
川口に関して言えば、ボールの取り所にされていますし、前にスペースがある状況でもパワーを持って運べません。
意識の変化が少しずつ見えているので、継続してチャレンジするしかありません。
苦しい状況が続きましたが前半43分試合が動きます。貴章のポストから大が逆サイドの安田へ展開。高木へ送ると切り返しから素晴らしいクロス。
貴章が圧倒的な高さで相手の上から叩き込みました。
【公式】ゴール動画:矢野 貴章(新潟)44分 アルビレックス新潟vs松本FC 明治安田生命J2リーグ 第2節 2018/3/3
素晴らしい展開、ゴールでしたね。
鈴木監督としては、高木起用の意図、目的がしっかり果たせたゴールだったと。
本当に素晴らしいゴールだと思います。
選手一人一人が目的を持って、ゴールを取る為のプレーの連続でした。
今後の大きな武器になりますね。
このゴールシーン、アシストした高木へパスを送った安田も良いプレーでしたね。
中へトラップする事で、高木に対して僅かな時間を与えます。
自分だけではなく、パスを出した選手の事も考えた素晴らしいプレーだと思います。
試合はこのまま前半終了。良い時間帯に得点し、後半に向かいます。
平均ポジジョンですが、やはり大がかなり中へ絞ってプレーしています。
完全にトップ下ですねw
高木もサイドより中でのプレーを選択。距離感を大切にする今シーズンの形を体現してる様です。
これだけ二人が中に絞るとSBの前には広大なスペースが生まれます。
これをしっかり活かせたのが安田、活かしきれなかったのが川口といった所でしょうか。繰り返しになりますが川口は続けるのみです。ポテンシャルの塊なんですから。
河田と貴章のコンビネーションはまだまだといった所でしょうか。
これからですね。
にしてもこのBOXシステムは完成したら色々な応用が効きそうですね。
- 後半
1点リードしてる状況、落ち着いて対処しカウンターを狙います。
山雅は更に圧力を高めハードに。
上手くいなしながら、安田の突破から貴章の惜しいヘディングシュート。
高木安田のコンビからは多くチャンスが作れそうです。
後半60分山雅が動きます。
工藤とセルジーニョを投入。
これが効きました。
セルジーニョのポジショニングは非常に上手く、マークの受け渡しが上手く行きません。
その中でマズイ対応をしてしまったのがこの試合存在感を失ってしまった大将です。
バイタルを完全に空けてしまう、セルジーニョに食いつき過ぎてしまう等のミスを連続してしまいました。
直後ミドルを打たれ、アレックスが弾き出すもこぼれ球を狙われポスト直撃。
嫌な流れ。
直後鈴木監督が動きます。大将に代えて原くん投入。
問題の解決に有効な一手だと思います。
原くん投入で中盤の距離感は良くなりましたが、今度は川口が狙われてしまいました。
右サイドを起点に再びピンチを迎えるもジュフンの好守備でなんとか凌ぎます。
その後も山雅の圧力にチームが動かず、セカンドが拾えない悪循環に陥ります。
後半80分、競り合いの中ジュフンが少し痛みますがプレーが続き、エアーポケットに入った様な瞬間。大、磯村でボールを奪えずサイドに展開、早いグラウンダーを飛び込んできたセルジーニョが技ありゴール。
【公式】ゴール動画:セルジーニョ(松本)81分 アルビレックス新潟vs松本山雅FC 明治安田生命J2リーグ 第2節 2018/3/3
痛んだジュフンが心配ですね。
この失点シーンを見ても後手後手な印象。
奪い所を共有出来ず、スタミナを削られると厳しいですね。
プレッシャーをいなす動きが殆ど出来無くなっていました。
痛んだジュフンに代わり豪が入ります。
原くんが最終ラインに落ち、豪がサイドへ。
ボールの逃げどころが生まれない中、豪は終始動き回りフリーな状況を生み出します。
守備も積極的で、当たり負けしません。
やはり今年は豪飛躍のシーズンになりそうですね。
後半87分、田中達也投入。
これだけの圧力を受ける状況、フリーな選手を作る事に苦労しているこの状況でターレスの選択肢はないでしょう。
達也はコースを制限してボールの出しどころを減らします。
高木は制限された選択肢で守備が出来ますし、安田には大きな余裕が産まれました。
何気ないプレスですが、鈴木監督が目指すレベルのプレスを達也は当たり前にこなします。
河田も貴章にもこのレベルを求めないとですね。
試合はロスタイム、カウンターから高木が持ち上がり得意のパンチ力のあるミドルを放ちますが枠を捉えられず試合終了。
ホーム開幕戦は1-1のドローで決着。
厳しい試合でした。讃岐戦同様簡単な試合は存在しません。
色々な所から絶望的なコメントが流れてて鼻で笑ってるんですが、鈴木体制2ヶ月程でこれだけ出来たら十分です。シーズン通して成長させていくと明言していますし、ここ数年とは違った手応えを現場は感じてるんじゃないでしょうか。
それは監督、選手のコメントを読んでも明らかですよね。
原因、解決方法、解決した事によってどうなるかまで、数多くの選手が共有しています。
これは非常に大切な事です。
今はとにかく経験です。内容が不満なのは理解できますが、チームは間違いなく正しい方向へ向かっています。
昇格候補のチームが早々苦しんでいます。
アルビも同様ですが、しっかりと勝ち点を拾っています。
焦らず、成長を待ちましょう。
【公式】ハイライト:アルビレックス新潟vs松本山雅FC 明治安田生命J2リーグ 第2節 2018/3/3